台湾の英語はなぜチャイニーズタイペイ?呼称の理由と背景を解説
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こんにちは。サボテン台湾の管理人、サボテンです。
台湾のニュースやオリンピックの中継を見ていると、選手団の名前が「台湾」ではなく「チャイニーズタイペイ」と表示されていて、あれ?と思ったことはありませんか。台湾は英語でTaiwanと呼ぶのが普通なのに、国際大会になると突然聞き慣れない名称に変わる。正直、私も最初に見たときは「これ、なんで台湾って言わないんだろう」と単純に不思議でした。
実はこの呼称の裏には、1970年代からの外交的な駆け引きや、中国と台湾のあいだの微妙な力関係が絡んでいます。オリンピック委員会方式や名古屋決議、一つの中国原則といった言葉が出てくると、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、順番に追っていけば意外とすっきり理解できるかなと思います。
台湾の英語名やチャイニーズタイペイという呼び方について検索してこの記事に辿り着いたあなたの疑問が、読み終えたときにすっきり解消されているように書いていきますね。台湾語や台湾中国語の違いが気になっている方にも役立つ内容になっているはずです。
- 台湾の正式な英語名と日常で使う英語表記の違い
- チャイニーズタイペイという呼称が生まれた歴史的な経緯
- オリンピックなど国際大会で使われる委員会旗や会歌の事情
- 台湾の人々が本当はどう呼ばれたいと思っているか
台湾を英語でチャイニーズタイペイと呼ぶ理由とは

まずはこの呼称がなぜ存在するのか、そもそもの背景から見ていきましょう。台湾という国名と、チャイニーズタイペイという呼び名がどう違うのか、順を追って整理していきますね。
台湾の英語表記はTaiwanが基本

普段の会話や旅行、ニュースなどで台湾のことを英語で表現するときは、基本的にTaiwan(タイワン)と呼びます。これはごく自然な話で、日本語で「台湾」と言うのと同じ感覚ですね。
私たちが台湾旅行の計画を立てるときも、フライトの検索も、現地の人との会話も、まずTaiwanで通じます。ここに関しては特に難しい事情はありません。うん、シンプルです。
ただ、この「シンプルさ」が国際政治の場では急にややこしくなるのが、この話の面白いところでもあり、ちょっとやっかいなところでもあるんですよね。
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正式国名は中華民国Republic of China

台湾を実際に統治している政府、いわゆる中華民国の憲法上の英語国名はRepublic of China(ROC)です。略してROCと書かれることもありますね。
1949年に中華人民共和国が大陸で建国されたあとも、台湾に移った中華民国政府は、しばらくの間「中国全土を代表する唯一の政府」という立場を国際社会でキープしていました。今の状況を考えると少し意外に感じるかもしれませんが、当時はそれが現実だったんです。
豆知識
中華民国という国号は、台湾では今でもパスポートや公的文書に使われています。日常会話ではほとんど「台湾」で通じますが、正式な場面ではこの名称が生きているんですよね。
一つの中国原則と名称の壁

ここで出てくるのが「一つの中国」という原則です。これは、世界に中国は一つしかなく、台湾はその一部であるという考え方で、中華人民共和国側だけでなく、かつての中華民国側も主張していた時期がありました。
この原則があるせいで、台湾は「中華民国」という名称も、実効支配地域に基づいた「台湾(Taiwan)」という名称も、国際的な場では使いづらくなってしまったんです。中華民国と名乗れば「中国全土の代表」という誤解を招きかねず、台湾と名乗れば一つの中国原則に反すると受け取られる。どっちに転んでも面倒、という状況ですね。
この、いわば名前の板挟み状態が、後にチャイニーズタイペイという第三の道を生み出す土台になっていきます。
1971年の国連追放と外交的孤立

1971年10月、国連総会でいわゆるアルバニア決議が可決されました。これにより、国連における中国の代表権は中華人民共和国に移り、中華民国は事実上、国連から追放される形になりました。
この決議は国連の公式資料としても残っている、歴史的にかなり重い出来事です(出典:国連公式サイト「国連総会決議2758号」https://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/RES/2758(XXVI))。
この一件をきっかけに、国際オリンピック委員会をはじめとした他の国際機関でも、中華民国の扱いを見直す動きが広がっていきました。台湾にとっては、まさに外交的な孤立が一気に深まった時期だったと言えるでしょう。
名古屋決議でオリンピック方式が誕生

そして1979年、日本の名古屋で開かれたIOC執行委員会にて、いわゆる名古屋決議が議決されます。ここで初めて「チャイニーズタイペイ」という呼称が公式に定められました。
この決議の内容は大きく二つです。
名古屋決議の要点
- 台湾の国内オリンピック委員会は、名称をチャイニーズタイペイオリンピック委員会に変更する
- 台湾の選手団は、中華民国の国旗や国歌を使用せず、IOCが承認した独自の旗と歌を使う
この妥協案を受け入れることで、台湾は国際大会への参加を継続できるようになりました。この枠組みは「オリンピック方式」や「オリンピック委員会方式」と呼ばれています。ちなみに入場順は、IOCコードのTPEに基づき「T」グループとして扱われ、中華人民共和国の「C」グループとは離れた順番になるよう配慮されているんですね。地味な配慮ですが、こういうところにも政治的な駆け引きが見え隠れしています。
チャイニーズタイペイの表記と読み方一覧

チャイニーズタイペイという言葉、実はいろいろな言語で表記が用意されています。せっかくなので一覧にしてみました。眺めているとちょっと面白いですよ。
| 言語・区分 | 表記 |
|---|---|
| 英語表記 | Chinese Taipei |
| フランス語表記 | Taipei chinois |
| IOCコード | TPE |
| 繁体字中国語表記 | 中華臺北/中華台北 |
| 簡体字中国語表記 | 中华台北 |
| ピンイン | Zhōnghuá Táiběi |
| 日本語読み | ちゅうかタイペイ(慣用読み)、ちゅうかたいほく(漢音読み) |
ここまで種類があると、逆に「どれが本当なんだろう」と混乱しそうですが、要は場面ごとに使い分けられている呼び方の集合体、という理解で大丈夫かなと思います。
チャイニーズタイペイという英語呼称の実態と台湾の思い

ここからは、実際にこの呼称がどんな場面で使われているのか、そして台湾の人たちがこの状況をどう感じているのかという、もう少し人間味のある部分に触れていきます。名称の話だけだと少し乾いた印象になりがちなので、ここからは温度感のある話をしていきますね。
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委員会旗と会歌に込められた事情

台湾代表団は国際大会で自国の国旗や国歌を使えません。その代わりに使われるのが、1981年のローザンヌ協定で定められた委員会旗、通称梅花旗です。
白地に、中華民国の国花である梅の形を青・白・赤の三色で描き、中央に青天白日の紋章とオリンピックの五輪マークを配置したデザインになっています。パラリンピックなど一部の大会では、五輪マークの部分がその大会独自のシンボルに差し替えられることもあるんですよ。
会歌についても同様で、メロディは台湾でおなじみの中華民国国旗歌をそのまま使い、歌詞だけをオリンピズムやスポーツを通じた平和をテーマにした内容へと書き換えています。既存の曲を活かしつつ、意味合いだけを変えるというのは、なんとも絶妙な折衷案だなと感じますね。
APECやWTOなど他分野への適用例

このオリンピック方式、実はスポーツの世界だけの話ではありません。政治や経済の国際機関でも、同じような枠組みが使われています。
適用されている主な例
- APEC(アジア太平洋経済協力):チャイニーズタイペイの名義で参加
- WTO(世界貿易機関):正式加盟の通称として使用
- GATT(関税及び貿易に関する一般協定):過去のオブザーバー参加時にも使用
- OECD(経済協力開発機構):一部委員会への参加時に使用
ただし、参加する枠組みによっては別の代替名称が使われるケースもあるので、「必ずチャイニーズタイペイになる」と決めつけるのは早計かなと思います。制度や運用は時期によって変わることもあるので、正確な最新情報は各機関の公式サイトで確認するのが安心です。
中華台北と中国台北の解釈の違い
Chinese Taipeiの漢字表記にも、実は台湾側と大陸側で微妙なズレがあります。
台湾側は「中華台北」と表記します。これは中華文化圏に属する台北、というニュアンスで、中国という国家に属しているわけではないというメッセージが込められています。一方、北京政府は時に「中国台北」と表記することがあり、これは台湾が中国という国家の一地方であるという政治的な含意を強調するための言い方です。
英語のChineseという単語が持つ曖昧さを、双方がそれぞれ都合よく解釈している、というのが正直な実態でしょう。ん、まあ、そういう玉虫色の言葉だからこそ、長年この呼称が使われ続けてきたとも言えますね。
台湾の人々が本当に望む呼び方
ここが個人的にはこの記事の中で一番大事だと思っている部分です。チャイニーズタイペイという呼称は、台湾の人たちが自分たちで望んで選んだものではなく、国際社会から排除されないために受け入れた、いわば苦肉の策なんですよね。
各種の意識調査でも、台湾の国民の多くが、国際大会などの場で「チャイニーズタイペイ」ではなく、自分たちのアイデンティティである「台湾」や「台湾人」と呼ばれることを望んでいるという結果が出ています。
注意しておきたいこと
台湾や香港、マカオの呼称や表記については、国際的に合意されたルールに従う必要があり、これに反する扱いをすると中国政府からの反発や、ビジネス上のトラブルにつながることがあります。センシティブな話題なので、公的な文書や発言の際は慎重な確認をおすすめします。
将来、台湾をめぐる政治的な状況が変わり、正式な独立国として広く認められる日が来れば、このチャイニーズタイペイという呼び方は自然と役目を終えるのかもしれません。そのあたりは今後の国際情勢次第、というところですね。
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香港マカオとの扱いの違い
同じように中国と深い関わりを持つ香港も、オリンピックなどでは中国本土とは別の独立した代表団として参加しています。台湾、香港、マカオといった地域の扱いは、それぞれ歴史的な経緯が違うため、単純に「同じ枠組み」とは言い切れない部分もあります。
ただ共通しているのは、いずれも国際社会で合意された厳格なルールに従う必要がある、極めてデリケートな立場にあるという点です。旅行や現地情報を調べるときに、こうした背景を知っておくと、ニュースの見方も少し変わってくるかもしれません。
まとめ:台湾の英語チャイニーズタイペイの背景
ここまで、台湾を英語でチャイニーズタイペイと呼ぶ理由について、歴史的な経緯から現在の使われ方まで見てきました。
普段の会話ではTaiwanで通じるのに、国際大会になると急に呼び方が変わるのは、1970年代の外交的な孤立と、一つの中国原則という壁のあいだで生まれた政治的な妥協の結果だったんですね。名古屋決議、オリンピック方式、梅花旗、会歌といった要素は、どれも台湾が国際社会に残り続けるために積み重ねてきた工夫の跡と言えるでしょう。
台湾の人たちの本音としては、やはり自分たちの名前である台湾で呼ばれたいという気持ちが強いようです。この記事を読んで、次にオリンピックのニュースでチャイニーズタイペイという名称を見かけたときは、その背景にある長い歴史をちょっと思い出してもらえたら嬉しいです。
なお、国際関係や制度に関わる情報は状況によって変わることもあるため、正確な最新情報については各機関の公式サイトをご確認いただき、必要に応じて専門家にもご相談いただくことをおすすめします。
