台湾のご飯はまずい?噂の真相と美味しいグルメ

「台湾のご飯はまずい」というインターネット上の噂を耳にして、これから始まる台湾旅行に一抹の不安を感じてはいませんか。実際に口コミサイトや知恵袋での評価を覗いてみると、独特の香り、とりわけ八角がまずいと感じる人が想像以上に多いことに驚くかもしれません。
また、台湾の料理は本当に八角だらけなのか、なぜこれほどまでに料理が甘いのか、その理由も気になるところでしょう。中には、楽しみにしていた夜市のステーキがまずいといった具体的な体験談もあり、どの料理が安全パイで、避けるべき臭い料理とは一体何なのか、事前に情報を集めたくなるのも無理はありません。
しかし、結論から言えば、台湾には日本人の口に合う絶品グルメが数多く存在します。この記事では、なぜ台湾のご飯がまずいという意見が生まれるのか、その文化的な背景や原因を深く解説します。そして、「台湾のご飯はまずい」という先入観を覆す、本当に美味しいグルメや、台湾で絶対食べるものは何ですか?という問いにもお答えします。さらに、台湾人はご飯を残してもいいのかといった、知っているとより食事が楽しくなる現地の文化まで、余すところなく掘り下げていきます。
- 台湾料理がまずいと言われる具体的な理由とその文化的背景
- 日本人が特に苦手としがちな要注意グルメとその特徴
- 初心者でも安心して楽しめる日本人の口に合う美味しい台湾グルメ
- 台湾旅行の食事で失敗しないための実践的なポイント
なぜ台湾のご飯はまずいと言われるのか?

- 台湾のご飯はまずい?知恵袋での評価
- 原因は八角まずいと感じる独特の香り?
- 台湾の料理は本当に八角だらけなのか
- 知っておきたい台湾料理が甘い理由
- 要注意!台湾料理で臭い料理はこれ
- 夜市のステーキがまずいという噂の真相
台湾のご飯はまずい?知恵袋での評価
大手Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」などで台湾の食事に関する質問を検索すると、「まずい」「期待外れだった」といった、残念ながらネガティブな体験談が一定数見受けられます。これらの意見を詳しく見ていくと、いくつかの共通したパターンが浮かび上がってきます。
最も多く挙げられるのが、八角(スターアニス)をはじめとする、日本ではあまり馴染みのないスパイスやハーブの風味に対する強い苦手意識です。その他にも、パクチー(香菜)の香りや、漢方薬を彷彿とさせる薬膳スープの風味に戸惑う声も少なくありません。これらは台湾の食文化に深く根付いた味であり、良し悪しではなく、単に味覚の「慣れ」の問題が大きいと言えるでしょう。
もちろん、これは物語の半分に過ぎません。一方で、「天国だった」「何を食べても美味しかった」という絶賛の声も同じくらい、あるいはそれ以上に多く存在します。小籠包の繊細な味や、マンゴーかき氷の感動的な美味しさ、活気あふれる夜市での食べ歩きの楽しさなど、台湾グルメの虜になった人々からの熱いレポートも後を絶ちません。つまり、評価は個人の味覚や、旅行中にどんな料理に出会ったかという経験によって、大きく左右されるのが実情なのです。
知恵袋に見る評価の二極化
「まずい」と感じる人の主な意見:
八角やパクチーの香りが強すぎる。全体的に味が甘いか、逆に薄い。薬膳のような独特の風味が口に合わない。
「美味しい」と感じる人の主な意見:
小籠包や魯肉飯、牛肉麺が絶品。フルーツやかき氷などのスイーツが最高。安くて美味しいB級グルメの宝庫で、食い倒れの旅が楽しめる。
原因は八角まずいと感じる独特の香り?

台湾料理が合わないと感じる最大の要因、それは紛れもなく「八角(はっかく)」の存在でしょう。八角は英語でスターアニスと呼ばれ、その名の通り星型の可愛らしい見た目をしていますが、香りは非常に個性的。中華料理、特に煮込み料理には欠かせないスパイスとして、台湾でも広く愛用されています。
この八角の香りの主成分は「アネトール」という有機化合物で、これは杏仁豆腐の香り付けに使われる杏仁霜や、リキュール酒のアニス、フェンネルなどにも含まれる成分です。そのため、甘く、それでいて少し薬草を思わせるような、スパイシーで独特な強い香りを持っています。大手スパイスメーカーのS&Bエスビー食品株式会社のウェブサイトでも、「豚肉や鶏肉など、くせの強い素材の臭み消しによく使われる」と紹介されており、その香りの強さがうかがえます。
日本料理では使う習慣がほとんどないため、多くの日本人はこの香りに慣れていません。結果として「薬の匂い」「インクや湿布のよう」と感じてしまい、生理的に受け付けない「八角まずい」という強い拒否反応に繋がってしまうのです。
八角の香りは一度「苦手」と脳が認識してしまうと、その香りが入った料理すべてを避けたくなってしまうほど強烈です。これが台湾料理の評価を二分させる、最大の要因と言っても過言ではないでしょう。
特に、台湾のコンビニに入ると感じる独特の香りは、おでん(關東煮)や煮卵(茶葉蛋)の出汁に含まれる八角が原因であることが多いです。この「台湾の匂い」が、知らず知らずのうちに苦手意識の刷り込みになっている可能性もあります。
台湾の料理は本当に八角だらけなのか
「台湾料理=八角の香り」というイメージが先行しがちですが、それは大きな誤解です。実際には、八角を全く使用しない、日本人の味覚に合った美味しい料理が星の数ほど存在します。台湾旅行で食事を心から楽しむためには、どのような料理に八角が使われがちで、どのような料理なら安心かを事前に知っておくことが、何よりも有効な対策となります。
八角が苦手な方でも安心して楽しめる代表的なメニューを把握しておけば、レストランや食堂での注文に迷うことが格段に減るはずです。以下の表をぜひ参考にしてください。
八角がよく使われる料理 ⚠️ | 八角が使われないことが多い料理 ✅ |
---|---|
魯肉飯(一部店舗) 特に長時間煮込むタイプの店では、香り付けの決め手として使われます。 | 小籠包・焼売・餃子 これらの点心類は、素材の味を活かすため八角はまず使いません。 |
牛肉麺(特に紅焼スープ) 醤油ベースの濃厚な紅焼スープには、八角や他の香辛料が必須です。 | 炒飯(チャーハン) 日本のチャーハンと同様、シンプルな塩コショウや醤油味です。 |
藥燉排骨(薬膳スペアリブ) 漢方スープがベースのため、八角を含む様々な生薬が使われます。 | 炒青菜(野菜炒め) ニンニクと塩でシンプルに炒めるため、クセがなく安心できる一品。 |
滷味(台湾風おでん) 醤油ベースの煮汁に八角が効いているのが特徴です。 | 蚵仔煎(牡蠣オムレツ) 牡蠣と卵、もちもちの生地が特徴で、八角は使いません。 |
茶葉蛋(台湾風煮卵) コンビニの定番商品。烏龍茶と醤油、八角で煮込んでいます。 | 火鍋(スープによる) 白湯やトマト、きのこベースなど、八角不使用のスープを選べます。 |
台湾グルメの代表格である魯肉飯(ルーローハン)と牛肉麺(ニューロウミェン)は、八角が苦手な人にとっては鬼門となり得ます。しかし、牛肉麺には八角を使わない塩ベースのあっさりスープ「清燉(チンドゥン)」という選択肢もあります。魯肉飯も、店によっては八角をほとんど使わない醤油の風味が際立つタイプもあるため、事前に口コミをチェックするのが賢明です。
知っておきたい台湾料理が甘い理由
台湾、特に「美食の都」として名高い南部の都市・台南の料理を味わうと、そのしっかりとした甘い味付けに多くの人が驚きます。和食の「みりん」や「砂糖」とはまた違う、コクのある甘さが特徴的ですが、これには台湾の歴史と文化が深く、そして甘く関わっています。
その理由は、単に「甘いものが好きだから」という単純なものではありません。
1. 砂糖の一大産地であった歴史
最大の理由は、台湾がかつて世界有数の砂糖の産地だったことです。17世紀のオランダ統治時代にサトウキビのプランテーションが始まり、日本統治時代には製糖業がさらに近代化・大規模化しました。砂糖が豊富に、そして安価に手に入る環境であったため、料理に砂糖をふんだんに使う食文化がごく自然に人々の間に広まっていったのです。
2. 気候と保存の知恵
年間を通して高温多湿な台湾の気候では、食品の保存が常に課題でした。砂糖には水分を抱え込み、雑菌の繁殖を抑える効果があります。そのため、料理に砂糖を多く使うことは、味付けであると同時に、食品を長持ちさせるための先人の知恵でもあったのです。
3. 「甘さ」がもたらすステータス
かつて砂糖が貴重品だった時代、料理に砂糖を使えることは豊かさの証であり、一種のステータスシンボルでした。大切な客人をもてなす際には、砂糖をたっぷり使った甘い料理を振る舞うことが、最高の敬意と歓迎の意を表す方法とされていました。その名残が、今なお台湾の食文化に息づいています。
こうした背景を知ると、台湾料理の甘さが、単なる味覚ではなく、台湾の歴史や風土そのものを物語る文化的な味であることが理解できるでしょう。
要注意!台湾料理で臭い料理はこれ

台湾グルメの多様性は魅力ですが、中には日本人旅行者が心の準備なく遭遇すると衝撃を受ける可能性のある、強烈な個性を持つ料理も存在します。その筆頭が、夜市の名物(あるいは悪名)でもある「臭豆腐(チョウドウフ)」です。
夜市を散策していると、突如として鼻をつく、忘れがたい独特の臭気。その発生源は、ほぼ間違いなくこの臭豆腐です。これは、豆腐を植物や海老などを発酵させた液体に数時間から数日間漬け込んで作られる、一種の発酵食品。調理法は様々で、カリッと揚げた「炸臭豆腐」、辛いスープで煮込んだ「麻辣臭豆腐」、蒸し上げた「清蒸臭豆腐」などがあります。
その香りは、「都市の排水溝」「何日も履いた靴下」など、お世辞にも食欲をそそるとは言えないものに例えられるほど強烈です。もちろん、これは発酵によるアミノ酸などが生み出す風味であり、腐敗しているわけではありません。味わいは「熟成したチーズのよう」と評され、その奥深い旨味の虜になる人もいますが、万人に受け入れられる味でないことは確かです。
初心者が注意すべきその他の個性派グルメ
・豬血糕(ジューシエガオ):豚の血にもち米を混ぜて蒸し固めたもの。見た目のインパクトが強いですが、味は意外と淡白でもちもちしています。
・鴨血(ヤーシエ):鴨の血を塩水で固めたもの。火鍋の具材として人気で、食感はレバーと豆腐の中間のようなプルプルとした弾力があります。
これらの料理は台湾では非常にポピュラーな食材ですが、血を食べる文化に馴染みのない日本人にとっては、味以前に心理的なハードルが高いかもしれません。
夜市のステーキがまずいという噂の真相

台湾の夜市の風物詩の一つに、ジュージューと音を立てる鉄板で提供される「牛排(ニョウパイ)」、すなわち台湾式ステーキがあります。日本のレストランに比べて非常に手頃な価格で、分厚いステーキが楽しめるため、多くの観光客が惹きつけられます。しかし、その評価は賛否両論で、「まずい」という声も少なくありません。
なぜ日本のステーキと大きく評価が異なるのか、その理由を探ってみましょう。
1. 日本とは異なる「柔らかさ」の追求
夜市で提供されるステーキは、コストを抑えるため、サシの入った高級な霜降り肉ではなく、赤身の硬い部位が使われるのが一般的です。この硬い肉を美味しく食べるために、台湾では「嫩精(ネンジン)」と呼ばれる肉質軟化剤(多くはパパイヤやパイナップル由来の酵素や重曹)が使われることがあります。これにより、肉は驚くほど柔らかくなりますが、同時に肉本来の繊維質な食感が失われ、どこか人工的で不自然な歯ごたえに感じられることがあるのです。
2. 予想を裏切る「甘い」ソース
もう一つの大きな要因が、ステーキにたっぷりとかけられるソースです。ステーキソースは黒胡椒ソース(黒胡椒醬)かマッシュルームソース(蘑菇醬)の二択がほとんどですが、このソースの味付けが日本のステーキソースに比べてかなり甘いのが特徴です。
醤油ベースの甘辛さではなく、ケチャップや砂糖を多用したような、フルーティーで濃厚な甘さが前面に出ています。お肉料理に塩気やスパイスの風味を期待していると、この甘さが予想外のサプライズとなり、「まずい」という結論に至ってしまうのです。付け合わせとして鉄板に乗せられるパスタも、この甘いソースと絡めて食べるのが台湾スタイルです。
決して全ての夜市ステーキが美味しくないわけではなく、このB級グルメ感溢れるチープでジャンクな味わいが好きだというファンもいます。しかし、日本のレストランで提供されるような、肉の旨味を活かしたステーキを想像して食べると、そのギャップに戸惑う可能性が高いことは、心に留めておくと良いでしょう。
「台湾のご飯はまずい」を覆す美味しいグルメ

- 本当に美味しいご飯を食べるには?
- これなら安心!日本人が好きな台湾料理
- 台湾で絶対食べるものは何ですか?
- 豆知識:台湾人はご飯を残してもいいですか?
- まとめ:台湾のご飯はまずいという誤解
本当に美味しいご飯を食べるには?
台湾で「美味しい!」と思える食事に巡り合うためには、ほんの少しの準備とコツが効果を発揮します。「まずい」と感じるリスクを最小限に抑え、自分好みの料理を見つけるための、より具体的なポイントをご紹介します。
1. Googleマップやブログで日本人向けのレビューを深掘りする
旅行前に、Googleマップや個人の旅行ブログで訪問予定エリアの飲食店を検索し、「日本人の口コミ」をフィルタリングして読むのが非常に有効です。「魯肉飯 八角なし」「台北 あっさり 牛肉麺」といったキーワードで検索すると、同じような味覚を持つ先人たちの貴重な情報が見つかります。特に八角の使用については、多くの日本人が言及しているため、有力な判断材料になります。
2. 苦手なものを伝える魔法の言葉を覚えておく
料理の注文時に、苦手なものを伝える簡単な中国語を知っているだけで、食事の満足度は格段に上がります。以下のフレーズは覚えておくと便利です。
覚えておきたい簡単中国語(食事編)
- 八角が苦手な場合:「不要八角(ブーヤオ バージァオ)」
- パクチーが苦手な場合:「不要香菜(ブーヤオ シアンツァイ)」
- 辛いものが苦手な場合:「不要辣(ブーヤオ ラー)」
「不要(ブーヤオ)」は「~はいりません」という意味の便利な言葉です。指差しやメニューを見せながらこの言葉を添えるだけで、多くの店で対応してもらえます。
3. まずは「守り」のメニューから試す
前述の通り、小籠包、餃子、焼売といった点心類や、炒飯、炒青菜(野菜炒め)などは、八角が使われることがなく、味の想像がつきやすい「守り」のメニューです。旅行初日や、個性的な料理に挑戦して少し疲れた時は、まずこれらの料理で胃を休ませ、現地の味覚に徐々に慣れていくのがおすすめです。
一番大切なのは、オープンマインドでいることです。それでも、どうしても口に合わない場合は無理をする必要はありません。台湾には日本のチェーン店も多数進出していますし、フルーツやスイーツなど、食事以外にも美味しいものがたくさんありますから!
これなら安心!日本人が好きな台湾料理

台湾には、八角などの独特な風味が苦手な日本人でも、心から「美味しい!」と感動できるグルメが溢れています。ここでは、特に多くの日本人観光客から支持されている、クセが少なく親しみやすい味わいの料理を詳しくご紹介します。
小籠包(ショウロンポウ)
もはや説明不要の台湾グルメの代名詞。職人技が光る薄い皮に、旨味が凝縮された肉餡と、熱々の肉汁スープがたっぷり包まれています。有名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」は世界的に有名ですが、街中には地元の人々に愛される、安くて美味しい個人経営の名店も無数に存在します。千切り生姜を乗せ、黒酢と醤油を少しつけて食べるのが定番です。
魯肉飯(ルーローハン)
細かく刻んだ豚バラ肉を、醤油や砂糖で甘辛く煮込み、白いご飯の上にかけた台湾の国民的ソウルフード。とろとろに煮込まれた豚肉の脂の甘みとコクがご飯に染み込み、箸が止まらない美味しさです。八角が控えめ、あるいは全く使われていない店を選べば、日本の豚の角煮丼にも似た、誰もが好きな親しみやすい味わいです。
鶏肉飯(ジーローファン)
茹でて丁寧に手でほぐした鶏肉をご飯の上に乗せ、鶏の旨味が溶け出した油(鶏油)と特製の醤油ベースのタレをかけた、シンプルながらも奥深い丼です。嘉義(かぎ)市が発祥の地として有名。非常にあっさりとした優しい味わいで、刺激的な味が苦手な方や、こってりした料理の合間に食べるのにも最適です。目玉焼き(荷包蛋)をトッピングするのも人気の食べ方です。
炒青菜(チャオチンツァイ)
空心菜やサツマイモの葉(地瓜葉)などの季節の青菜を、ニンニクと塩で強火でさっと炒めた一品。シャキシャキとした食感とニンニクの香ばしい風味が食欲をそそります。ほとんどの食堂やレストランで注文でき、肉料理中心の食卓に爽やかさと栄養バランスをもたらしてくれる、名脇役と言えるでしょう。
蚵仔煎(オアチェン)
小ぶりで旨味が濃厚な牡蠣と、シャキシャキの白菜や春菊などの野菜を、サツマイモのデンプンを溶いた生地でまとめ、卵と一緒に焼き上げた台湾風の牡蠣オムレツ。生地のもちもちとした独特の食感と、仕上げにかける甘酸っぱいピンク色のソースが特徴です。夜市の定番屋台グルメの一つです。
台湾で絶対食べるものは何ですか?

数えきれないほどの美食がひしめく台湾で、「これだけは絶対に外せない!」と断言できる必食グルメが存在します。台湾の食文化の魅力を存分に体感できる、代表的なメニューを厳選してご紹介します。
台湾で絶対に味わうべき必食グルメ BEST3
- 小籠包(ショウロンポウ)
やはり台湾グルメの頂点に立つのは小籠包です。レンゲの上で繊細な皮を少しだけ破り、まずは溢れ出す黄金色のスープを一口。その後、千切り生姜と共に本体を頬張るのが、最も美味しくいただくための作法です。火傷には十分注意してください。 - 牛肉麺(ニューロウミェン)
台湾人のソウルフードとも言える、牛肉がゴロゴロ入った麺料理。長時間煮込まれた牛すじ肉やバラ肉は、箸で簡単にほぐれるほど柔らか。スープは主に2種類あり、醤油ベースで少しスパイシーな「紅焼(ホンシャオ)」と、牛骨の旨味が澄み渡る塩ベースのあっさり系「清燉(チンドゥン)」があります。八角が苦手な方は、まず清燉から試してみるのがおすすめです。 - マンゴーかき氷(芒果冰)
台湾スイーツの頂点に君臨するのが、特に夏季に旬を迎えるマンゴーを贅沢に使ったかき氷です。 台湾観光署のデザート紹介でも紹介されているように、台湾産マンゴーの旬は品種にもよりますが、概ね4月から10月頃。この時期に訪れるなら必食です。雪のようにふわふわに削られた氷の上に、新鮮な完熟マンゴーの果肉、濃厚なマンゴーソース、そして練乳がたっぷりかかった姿は圧巻の一言です。
もちろん、台湾の必食グルメはこれだけではありません。台湾の伝統的な朝ごはんの代表格で、お酢の酸味で豆乳がふわふわに固まる温かいスープ「鹹豆漿(シェンドウジャン)」や、人の顔よりも大きなサイズでSNS映えも抜群のフライドチキン「豪大大雞排(ハオダダージーパイ)」、釜の内側に貼り付けて焼く、胡椒の効いた肉餡がジューシーな「胡椒餅(フージャオビン)」など、街の至る所で魅力的なグルメがあなたを待っています。
豆知識:台湾人はご飯を残してもいいですか?
日本では「出された食事は一粒残さずきれいに食べるのが礼儀」とされていますが、海外では文化が異なる場合があります。台湾の食事マナーにおいて、料理を残すことはどのように捉えられるのでしょうか。
結論から言うと、台湾では食事を残すことに対して、日本ほど厳格な考え方はありません。特に円卓を囲むような宴席や、家庭に招待された場面では、食べきれないほどの量の料理を並べることが、ホスト側の「歓迎」や「おもてなし」の気持ちを表す、という文化があります。この場合、全ての料理を食べきってしまうと、「もてなしが不十分だったのでは?」とホストを心配させてしまう可能性すらあるため、少し残すことがむしろ礼儀にかなう場合もあります。
もちろん、これはあくまで多人数での食事や、もてなしの場での話です。夜市や食堂で自分が注文した一品料理については、美味しく完食することが、作り手への最大の感謝と敬意の表現であることは言うまでもありません。しかし、もし量が多すぎてどうしても食べきれないと感じた場合でも、過度な罪悪感を抱く必要はないでしょう。
便利な食文化「打包(ダーバオ)」を使いこなそう
台湾の素晴らしい食文化の一つに、「打包(ダーバオ)」、すなわち食べ残した料理の持ち帰り文化が根付いています。食べ物を無駄にしないという考え方が浸透しており、多くのレストランでは快く持ち帰り用の容器を用意してくれます。
もし料理が食べきれなかった場合は、遠慮せずに店員さんに「我要打包(ウォーヤオ ダーバオ / 持ち帰りたいです)」と伝えてみましょう。ただし、屋台の食べ歩きメニューや、衛生管理が難しい生ものなどは持ち帰りが難しい場合が多いので、その場の状況に応じて判断してください。
まとめ:台湾のご飯はまずいという誤解
この記事では、なぜ台湾のご飯がまずいというイメージが生まれたのか、その文化的な背景から具体的な料理の解説、そして美味しいグルメを楽しむための実践的なポイントまで、幅広く掘り下げてきました。最後に、この記事の要点をリスト形式で総括します。
- 「台湾のご飯がまずい」という評価の主な原因は八角やパクチーなど独特の風味にある
- 八角は甘くスパイシーな香りが特徴で中華圏の煮込み料理には欠かせないスパイス
- 日本で馴染みのない香りのため多くの人が「薬っぽい」と感じ苦手意識を持ちやすい
- しかし全ての台湾料理に八角が使われているわけではなく誤解も多い
- 小籠包・炒飯・点心類など八角不使用で日本人に合う美味しい料理も豊富に存在する
- 台湾料理の甘い味付けはサトウキビ栽培の歴史や食品保存の知恵に由来する文化的な味
- 夜市の名物「臭豆腐」は強烈な香りで好き嫌いが分かれるため初心者は注意が必要
- 夜市のステーキは肉質や甘いソースが日本のものと大きく異なり期待外れに感じることがある
- Googleマップなどで「八角なし」と検索し日本人のレビューを参考にすると店選びで失敗しにくい
- 「不要八角(八角なしで)」など簡単な中国語を覚えておくと注文時に役立つ
- 多くの日本人が絶賛する魯肉飯や鶏肉飯、牛肉麺(清燉スープ)などは挑戦の価値あり
- 台湾で絶対食べるべきグルメは小籠包、牛肉麺、そして旬の時期のマンゴーかき氷
- 台湾では食べきれないほどの料理でもてなす文化があり食事を残すことに比較的寛容
- 食べ残しを持ち帰る「打包」文化が根付いており食品ロスを減らす意識も高い
- 事前の情報収集とメニューの賢い選択で「台湾のご飯はまずい」という誤解は解ける